2012年09月27日

「開かせていただき光栄です」 

お読みでない方は、あらすじにふれてますのでご注意。
 
 
「開かせていただき光栄です」/皆川博子 著
 
 
読ませていただき光栄です。
久々面白かったあ!

18世紀のロンドン。解剖学の医師とその弟子たちの教室に、突然あるはずのない死体が2体も出現。
彼らは正義の治安判事と共に犯罪を解き明かしていくのだが・・・。
 
その死体の1つは才能ある若き詩人。ネイサン・カレン。
え〜〜〜〜ネイサンこんなに早く死んじゃうのお〜〜!そんなあ〜〜!と騙されやすい私は魅力ある少年が消えたことに不可解、不満を感じつつも読み終えると・・・。
 
いやあ、皆川さま、ありがとう。
 
救いのある物語が私は好きです!
 
 <18世紀ロンドンの豆知識>
・この頃はまだ酸素というものが発見されていなかった。
・外科医より内科医の方が地位が高かった。
・解剖医学はまだまだ発展途上で、仕方なく墓あばきから死体を買っていた。
・国家としての治安維持組織(警察)はなく、裁判などは金が動いての判決もしばしば。
 
 くしくもロンドンオリンピックの時期におよそ200数十年前のロンドンの物語を読みました。テレビに映ってた街の石畳に、昔生きた人々の足音が聞こえてきそうな・・・。

ちょっと時期ハズレですが、忙しさにかまけて、今頃のアップ・・・。
posted by しのぶん at 17:26| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月18日

本も読みたいけれど・・・

やらなければならないことがある。
片ずけなければ気になってしかたないことがある。
けれど・・・・・1,2時間くらいと思って本に手をのばす。
 
「ブルースカイ」/桜庭一樹 著
 
「地層捜査」/佐々木譲 著
 
 
どちらも私の好きな作家。・・・なのに・・・いつものようには読書は進まない。
私のせい?・・・だよね。
 
本当は桜庭一樹が描く、剛鉄の女を読んで、やる気と勇気が欲しかった。

(ブルースカイはそっち系ではないお話)

佐々木譲が描く人間模様をもっと肌で感じたかった。
 
読者は勝手です。
 
 
ところが、
 
「“また会おう”と誰もが言った。」/喜多川泰 著
 
高校生の僕が自分の嘘が原因で東京から
地元熊本へ文無しで旅する話。

その暖かい出会いで成長するという、
まったくストレートでひねりのない話なのだが・・・

これだったんですね。
いまの私の心にスーッと入ってきたのは。
 

他人の眼鏡で世間を見ても気持ち悪いだろ?
自分の眼鏡で世界を見るんだ。・・・とか

青春のバイブルみたいな本で、かなり気恥ずかしかったりも
するのですが、たまにはこういうのも良いなあ。
 
素直に読んでしまいました。
私、疲れてるかも・・・・・?
posted by しのぶん at 22:35| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月02日

『下町ロケット』池井戸 潤 著

小説家のみなさま、ありがとう。

本を読む。至福のひととき。

ありがとう。

ステキな世界へ招いてくれて。

そこは時には美しく・・・

時には恐ろしく・・・

時には悲しい。

未来の風を、過去の息吹を、一瞬を、数百年を・・ありがとう。

想像をみなぎらせ、空想に浸るひととき、私は本の住人になる・・・

なあんてね。

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『下町ロケット』 池井戸潤

元宇宙開発機構の研究員、佃航平は父親の跡を継ぎ、社員200人の中小企業、佃製作所の社長になるが、経営はままならず、大企業からのイジメ、特許侵害による裁判、ロケット打ち上げの夢、社員からの不平不満。次から次へと押し寄せる荒波。そしてついに・・・


展開が速く、一気読みしてしまう一冊。特許をめぐる駆け引とそこに巡る人間模様。
それぞれの立場と思惑が面白い。小さき者よ負けるな、ガンバレーって感じ。

物語のラスト等、想像通りであっても、なぜか目頭が熱くなる。分かっていても、グッと心を掴まれ読み出したら止まらない。種子島の宇宙センターへ行ってみたくなります。ロケットが飛ぶところ、見てみたいなあ!!
posted by しのぶん at 12:54| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする