2013年08月12日

「夜の国のクーパー」


「夜の国のクーパー」/伊坂 幸太郎著
 
 
 夜の国のクーパー

やっぱり、面白い!
 
止まらずいっきに読みました。
 
たった一日の時間しか流れていないのに・・・。
 
だいぶ旅して来たような私の一日・・・。
 
 
 
架空の、奇妙な小さな国の戦争の話。
 
だが、この国の人々は戦争の事をよくわかってない。
 
戦争をしてたらしい、そして負けたらしい、でも負けるってどういうことなんだ?
 
と、首を傾げる純朴な人々。
 
国の成り立ちが、なんか変。これってどういう世界?
 
 
 
そんな国に仙台の港から小舟に乗った男が迷い込む。
 
草叢に倒れていた男に話しかけてきたのは猫。
 
猫の描写が、そうそう猫ってそうなのよね〜 とニンマリ、納得。
 
 
猫がしゃべったり、鼠に交渉を持ちかけられたり。
 
と、言うような話は、なんだか面白くなさそうだわ!
 
と普段の私なら思うところだが・・・いやあ・・・猫の気持ち、鼠の気持ち、
 
複雑ですよね。
 
この世界の上下関係からは逃れられないのだからね。
 
わたしたちもね〜。一緒だね〜。
 
 
 
しかし、なんといっても伊坂幸太郎だもの!
 
最後は爽快! ありがとう! です。
 
 
まさかね。そうきましたか。000−旅行記?
 
 
 
「 みんなで帰るか 」
 
 
いいコトバだなあ。


posted by しのぶん at 11:18| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月07日

 「通 天 閣」



 「通 天 閣」/西 加奈子著
 
 
 
 
通天閣近くに住む中年男は、ただ生きている。
 
起きて、工場に行って働き、メシを食い、帰って寝る。
 
これといって望むものは無し。
 
けれど小さなドラマはたくさんある。
 
人生はそんなものかもしれない。
 
男は近所の中華屋によく行くが、常連のように思われたくはない。
 
店員にそのように親しげに接せられるのも苦手だ。
 
黙ってそっとしておいて欲しいのだ。
 
「いつものですね。」などと言われると・・・まずい、しばらく来るのは止めよう
 
なんて思ってしまう。
 
 
 
工場に新入りが入って来た。
 
話すとき最初の言葉があ行だとドモッテしまう青年。
 
例えば「お、お、お、おはよう」 
 
名字が小山内だから、自己紹介は「おおおお、お、さないです」
 
と最初からドモッテしまう。
 
けれど、あ行以外は普通にすらすらと「こんちわ」とか「そおっすね〜」とか

言える。
 
 
 
声が小さすぎるクラブのママ。周りはよほど耳を傾けなければ言葉が

聞き取れない。
 
これにも笑った。
 
 
 
まったく平凡な登場人物たちに悲喜劇が入り混じり、思わぬドラマチックな

流れになっていく。 

舞台は通天閣。
 
 
しかし交差して欲しい人間は交差せず・・・。
 
人生はそんなもんだよと・・・。
 
また、何事もなく日常は続いていく。
 
 
 
そのあと読んだ 「 ふる 」/西 加奈子著  
 
同じ作家なんだけど・・・私には響かなかったかなあ・・・。
 
まあ、こういうことも、あるよね。
 
面白いエピソードも描かれてはいましたが。
 
 
 
そして、そのあと読んだ 「まぐだら屋のマリア」/原田 マハ著
 
これもね・・・。
 
心に傷を持った人たち・・・なんだけど・・・いい人ばかりで。
 
どうも、くすぐったい。
 
設定は面白かったけど。
 
あ、これ、映画化されたかも?検索してみようっと。
 
・・・検索したけど分からなかった。


posted by しのぶん at 10:29| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする