「 百萬遍 古都恋情 」 上・下/花村 萬月著
それにしても・・・。
十代の男の子は誰もがこんなにも性欲が強いのだろうか?
それとも・・・惟朔が特別なのか?
惟朔の恋愛は特別なものだと思う。
自由過ぎる。
そして、惟朔の肉欲には呆れる。
それは私が女だからか?男なら共感するものなのか?
解からぬ。 誰かに聞いてみよう。
ニコ中の言葉。
「 感性というコトバをもちだしてはいけないよ。」
「 それは馬鹿者の最後の言い訳なんだ。」
なんか、ズシっときた。
感性、感性とむやみやたらに言えば、それは確かに恥ずかしい。
私もそんな輩のひとりでした。
惟朔は野坂昭如が好きだ。「火垂るの墓」を読んで泣いたことは『青の時代」に
描かれているが、今回もその事を語っている。
私も泣いたよ。みんな泣くよ。
胸が締め付けられたよ・・・。
惟朔と共感できたことがあって、良かったと思う・・・。
遠藤賢司の『カレーライス』
うんうん、流行った。よく口ずさんだ。
僕は寝転んでテレビを見てる
誰かがお腹を切っちゃったって
う〜んとっても痛いだろうにねえ
はは〜ん・・・・カレーライス
え〜〜〜〜〜お腹を切っちゃったって、三島のことだったの???
あれほど衝撃的な三島由紀夫の割腹自殺だったのに、当時、私はこの唄を
聞いて可笑しな唄くらいにしか思わなくて・・・。
私は馬鹿者だ。 自分にとっての衝撃とはこんなものか! とも思ったのだ。
何十年もたって 『カレーライス』 の意味が解かりました。 とほほ。
そしてそして・・・惟朔18歳。 百萬遍はもう少し続きます。