2013年11月27日

「桜庭一樹 短編集」


「桜庭一樹 短編集」/桜庭 一樹著
 
 
 
それきり会っていない人。 あの子は今どうしているだろう・・・。
 
そんな人って誰にでもいるんじゃないかな?
 
 
全六編の中 「 モコ&猫 」 「 赤い犬花 」 はそんなお話で、なんとなく
 
ノスタルジックな気持ちになりました。
 
 
 
子供の頃、近所におまわりさんの子供がいた。
 
転勤してきた一家だったのだと思う。
 
地元の家族ではなかった。
 
だから少し距離感があったように思う。
 
でも、子供たちには関係ない。
 
二人姉妹で、めぐみちゃんは私より二つ上、のぶこちゃんは私より

二つくらい下。
 
めぐみちゃんは物静かなお姉さんで、のぶこちゃんは泣き虫だった。
 
裏の川原の土手で、よく、のぶこちゃんを置き去りにして逃げた。
 
のぶこちゃんは泣きながら 「待ってえ〜」と言って追いかけてきたが

追いつかない。
 

それが楽しかった。 
 
子供は残酷だ。
 
その時、吹いていた風の匂いを覚えている。
 
私が小学校にあがる頃、家族は引っ越して行った。
 
それきりだ・・・。
 
 
それきりの人は案外いる。
 
最近、それきりになってた大学時代の友達と30年振りに会った。
 
それきりだった彼は立派なおじさんになっていた。
 
それきりの人がひとり減った。
 
 
それきりの人にとっても、私がそれきりの人なんだよね・・・。


posted by しのぶん at 10:40| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする