2014年01月29日

「冥土 めぐり」

「冥土 めぐり」/鹿島田 真希著

もやもやする。
奈津子の境遇に、もやもやする。
それを受け入れている奈津子に、もやもやする。
もやもやはイライラに・・・イライラはやがてカッチ〜ンと切れそうに・・・。

私は嫌だ。 こんな母や弟は! 屑だ!
そばに居たらハッ倒したくなる屑だ!

だが、あまりにも可笑しすぎる屑なのだ。
そうか・・・こういう屑もいるのだなあ。 
と、たいした人間でもない私は思うのだ。

そして奈津子の夫、太一。
太一は結婚後、脳神経の発作により四肢が不自由になった。
障害者として生きている太一に対して奈津子は、介護をしながらも冷めている。

奈津子の目には、もはやまわりの人間は朧だ。
奈津子は正当に病んでいる。

芥川賞作品は、もやもや、イライラ、少しヘンテコな作品が多いと思うのは私だけだろうか?

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受賞歴 第147回芥川賞受賞

あの過去を確かめるため、私は夫と旅に出た――裕福だった過去に執着する母と弟。彼らから逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病になる。だがそれは完き幸運だった……著者最高傑作!


posted by しのぶん at 13:02| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする