2013年01月22日

「バイバイ、ブラックバード」



「バイバイ、ブラックバード」/伊坂幸太郎 著
 
 
伊坂幸太郎の小説は文句なく好きだという方は沢山いると思う。
 
私もその1人!
 
苦境に陥っても悲壮感がない。
 
この世界って、人って・・はいそうですねと納得させてくれる。
 
人を愛しく思わせてくれる本。
 
そして、勇気!
 
 
これは星野一彦が5人の女に別れを告げに行く物語。
 
傍らには見張り役の巨漢の繭美。星野は支払い不能の借金のため、
 
このあと <あるバス> に乗ってどこか知らない所へ連れてかれるのだ。
 
 
いわゆる5股なんだけど、下世話な話ではない。
 
だって伊坂幸太郎だもの。
 
星野もオンナたちも普通の人間で、日々誠実に生きている。
 
 
人は責任感という看板を表に出して毎日生きているわけではない。
 
それじゃ重過ぎる。
 
けれど、無意識の責任感はみんな持っている。
 
それが人と人との世界だから。
 
どんな時でも自分のお尻を自分でキレイに拭ける人。
 
たとえそれで、どんな状況に陥ろうとも・・・。
 
そんな人々を伊坂幸太郎は描いてくれる。
 
潔いのだ。
 
この爽快感。
 
 
そして・・・伊坂幸太郎は登場人物の誰の味方もしない。
 
けれど、誰をも愛している。
 
やっぱり『愛』に行き着いてしまった。


posted by しのぶん at 11:22| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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