「猫鳴り」/沼田まほかる 著
一部・二部・三部と猫の「モン」がストーリーを繋げます。
猫の話というより猫にまつわる人々の話かな?くらいに思って読んでたら・・。
第三部が、いけません・・・。
妻に先立たれた老人・藤治が老猫のモンの最期を看取るのですが・・。
駄目だ。
涙が止まらない・・・。
愛猫との別れを思い出すとか、そういうのではなくて・・・。
ただただ、モンの最期と藤治の姿に涙が止まらないのです。
もう一度読み返そうかとページを捲れば、すぐに顔が歪んできます。
モンは立派に逝きました。
こう書くと、ほのぼのとした猫と老人の話みたいだけど、それは違います。
好きでもない猫を飼う羽目になった妻・伸枝。
生きるのが下手な大人と子供。
生きている事と死んでいく事。
ささやかに穏やかに、少し捻じれたりして生きてる事。
一部・二部・三部、どれも良いお話です。
沼田まほかるさんに嵌まりそうです。