2013年05月07日

「三千枚の金貨」


 「三千枚の金貨」/宮本 輝 著
 
 
 
斉木光生は5年前、入院中に末期癌の患者に話しかけられた。
 
  『 和歌山県の何処か。桜の樹の下に三千枚の金貨を埋めた。
 
    みつけたら、あんたにあげるよ。』 ・・・と。
 
 
そのときは真に受けなかったのだが・・・。
 
 
 
大人たちの宝探しを主軸に物語は進む。
 
斉木を中心に広がる様々な人間関係や家族関係。
 
ささいな出来事も好ましく、微笑ましく、宮本輝ワールドは暖かい。
 
 
が、それとは別に気になってしまったのが、
 
シルクロードの一角にある巨大な溝 『 乾河道 』の話。
 
遥か昔の大河が干上がったものらしい。
 
そして、カラコルム山系の中にある小さな村、フンザの星空の話。
 
 
 
なんて世界は広く、自然は偉大で、
 
人間はちっぽけで、健気で、愛しいのだろう。
 
 
夜空満点の星、星、星を見たい・・・。
 
目に見えるものは星だけ。
 
・・・と、思いを馳せてしまった。
 
 
久々に読んだ宮本輝作品、面白かったです。
posted by しのぶん at 13:14| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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