2013年11月06日

「なで肩の狐」・「狼の領分」


「なで肩の狐」  「狼の領分」 /花村 萬月著
 
 
 
これは、エンターテーメントな小説。 
 
「百萬遍」の惟朔に翻弄された私としては、ブレイクタイムにちょうど良し。
 
たいへん読みやすく面白い。
 
「 なで肩の狐 」 を読んだらその続編もあるということで、それが
 
「 狼の領分 」 です。
 
 
 
別に・・・花村萬月に嵌まっているわけではない。
 
ただほかの作品も読んでみたいと思うわけで・・・嵌まってるわけでは・・・ない。
 
 
物語は元・凄腕ヤクザの<木常>とその相棒、気弱な元・相撲取りの
 
<蒼ノ海>の危ない話。
 
ヤクザから足をあらった筈の木常ではあるが、厄介な事件に巻き込まれて
 
いく。
 
 
しかし・・・そんな風に残酷に人を殺さなくても・・・。
 
え、そこで殺っちゃうのかい?
 
あっ、そういう話?  と、まごつく 私。
 
で、 やっぱりここで殺るよなあ と受け入れ態勢になっていく自分。
 
蒼ノ海が救いだなあ。
 
 
昔、読んだマタギが描かれている物語に、凄く感銘を受けた事があって、
 
「 狼の領分 」 もその辺の話が少し盛り込まれていて・・・ゾクゾクしました。
 
マタギは凄いのだ。 
 
過酷で神秘的で、人としての驕りを捨てて自然の一部として生きる。
 
死と隣り合わせで、大自然と共に生きる。 動物として生きる。
 
日々の戦い。
 
 
花村小説の舞台は、いつも負の世界の中にある。
 
そして戦いがある。 だが、情熱的なものではない。 冷めているのだ。
 
だが、とことん戦う。 それは刹那的に。 究極的に。
 
ついていけない・・・。 息切れ状態・・・。
 
 
 
 
私は、なまっちょろい!・・・だが、時代や環境のせいにするのだけはやめよう。
 
ん?  急にどうしたんだ、私・・・?
 
 
続・続編も読みたいのだが・・・。


 
posted by しのぶん at 13:02| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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