「黒い福音」/松本 清張著
花村萬月の小説「百萬遍」の惟朔や 「ゲルマニウムの夜」の朧が
暮らしていたという修道院・サレジオ会が舞台の物語です。
昭和34年に実際に起こったスチュワーデス殺人事件をもとにした推理小説。
この頃の日本はまだまだ国際的な立場が弱かった。
<日本人は今でも外人( 白人 ) に弱い>
そしてキリスト教団の閉鎖的権威主義。
実際、犯人と思われる外人神父はベルギーに帰国。
警視庁は手も足も出ず。
逃げられた。
未解決事件。
疑問を持った作家・松本氏は綿密な取材を重ねたらしく実録手記のような
感じで、感情的表現が少なく、淡々と物語りは進みます。
救援物資の横流し、麻薬の密輸。
宗教の名のもとに、神の名のもとに・・・修道院は都合の良い隠れ蓑になった。
どす黒い空気が充満してる小説です。
なぜスチュワーデスは殺されたのか?
なぜ殺されたのがスチュワーデスだったのか?
宗教団体に限らず団体・集団というものは時に素晴らしい力を発揮したりも
するが時に恐ろしい負の塊にもなる。
この殺人事件、54年前のことではありますが、私の住む近場で
起きてるんですよ。
この逃げたベルメルシュ神父は、あれから54年たった今も何処かで、
黒衣を身に纏い生きているのでしょうか?
それとも、とっくに・・・?
縁あってサレジオの学校で学び、十数年社会で働いた後、町田に移転した母校で若者たちを指導する機会を頂き5年間、誠意をもって技術者の卵を世に送り出すべく働いてきました。
が、内部に巣くう不正、不埒な行為の数々を目の当たりにし続け、正されるべきと声をあげ続けてきましたが、ついにこの春、学内のネガティブキャンペーンの結果
「指導する力がない」
と一方的に認定され追放されるに至りました。
他の問題も含めた行政の指導に対しても、担当者を脅す様な発言で追い返そうとしたそうです。
過去の過ちから何も学ばず、教育者、聖職者の衣に強欲な本性を隠した者たちに支配された学校を信じさせられている学生たちが不憫でなりません。
ドン・ボスコが泣いています。
長らくブログをさぼってまして....コメントに気付かずスミマセン。
そうですか。サレジオ会は今も昔と変わらずの健在ですか....。
現実は厳しい。恐い。凄い事です。
閉ざされた集団の脅威。
言葉がありません。
どうにもならないことは沢山ありますね。
それに屈するしかない現実。
たかが人間の世界の現実。
しかし正義が無力になるのは辛い事です。