2014年07月12日

『快挙』白石一文

『快挙』白石一文
 
 
『快挙』白石一文らしからぬタイトルだなあと思いながら読む。なるほど。ああ、やっぱり良いなあ。

夫婦の話である。平凡な夫婦か非凡な夫婦かは、描き方で変わる。どこにでもいるような夫婦の話のようでいて、様々な出来事が通り過ぎて行く。そもそも人生なんて、誰にも語らなければ平凡な人生、語りようでいくらでもドラマチックになるのが人生だ。

この物語は、夫であるヒックンの快挙とは? を織り交ぜながら静かに淡々と夫婦の年月が語られていく。2人とも普通で、魅力的な人間だ。 読み心地がいい。私たちみんな大変だけど、でもみんな生きてる、生きていくんだなあ・・・なんて当たり前のこと、思ったりして・・・。

一発逆転。 <快挙>とは? 私にとってはなんだろう?
これからの私の快挙を、心待ちしよう。


内容紹介

変質しない夫婦関係などない。罪と罰を抱き共に生きる。それこそが、結婚――。あの日、月島の路地裏であなたを見つけた。これこそが私の人生の快挙。しか し、それほどの相手と結婚したのに五年が過ぎると、夫婦関係はすっかり変質してしまった。共に生きるためには、不実さえも許す。それこそが夫婦。そう思っ ていたが、すべては私の驕りにすぎなかった……。結婚の有り様をあなたに問う傑作夫婦小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石/一文
1958(昭和33)年福岡県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。2009年『この胸に深々と突 き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌2010年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもので す)
posted by しのぶん at 09:37| Comment(0) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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